「一度は落ち着いたと思ったのに、またザワザワしてきた」
「整えたはずなのに、うまく回らない……」
若手教員から、よく聞く言葉です。
でも、まず最初に伝えたいことがあります。
学級がうまく回らなくなるのは、珍しいことではありません。
子どもが悪いわけでも、先生の力が足りないわけでもないのです。
クラスは生き物のようなもの。少しずつ成長し、揺れ、また形を変えていきます。うまくいかなくなったときは、「崩れた」のではなく、今のクラスに、支え方が合わなくなってきただけ。
この記事では、「どう締め直すか」ではなく、「どこから支え直すか」という視点で、学級を立て直す3つのポイントをお伝えします。
「困った行動」は、子どもからのサイン
騒ぐ・立ち歩く・聞かない…それは“結果”
学級がうまく回らなくなると、私語が増える、立ち歩く子が出てくる、指示が通らない…といった行動が目につきます。つい「どうして守れないの?」と言いたくなりますが、これらは原因ではなく、結果です。
子どもなりに考えてみると、
- どう動けばいいのか分からなかった
- 待つ時間がつらかった
- できた経験が少なかった
そんな背景があることも多いのです。
立て直しは「直す」より「支え直す」
うまくいかないときほど、声を大きくしたり、注意を増やしたりしがちです。でも、それで落ち着くのは一時的なことがほとんど。大切なのは、「できるようになるための支え」を整え直すことです。
視点① 先生の関わり方を、少しだけ変えてみる
注意が増えてきたら、黄色信号
最近、こんなことはありませんか?
- 一日中、注意ばかりしている
- 声を張り上げる場面が増えた
- 帰るころには、ぐったりしている
これは、先生も子どもも苦しくなっているサインです。注意が増えると、子どもは「怒られないようにする」ことに意識が向き、どう動けばいいかが、かえって見えなくなります。
できている行動を、見つけて言葉にする
実は、クラスには静かに待っている子、ルールを守っている子が必ずいます。立て直しの第一歩は、そこに目を向けることです。
- 「今、静かに待てているね」
- 「声をかけ合って、準備できているね」
- 「ちゃんと話す人を見ているね」
ポイントは、その場で・具体的に・短く伝えること。これは「ほめる」というより、「こうすればいいんだよ」という見本を、クラスに増やす行為です。
視点② クラスの「やり方」を、もう一度はっきりさせる
「分かっているはず」は、分かっていない
「もう何回も言ったのに……」は若手教員あるあるです。でも子どもにとっては、いつ・どこで・どうすればいいかが、実は曖昧なままのことも多いのです。
叱る前に「教え直す」
立て直しの場面で大切なのは、説教ではなく、教え直しです。
たとえば、
- ❌「ちゃんと聞きなさい」
- ⭕「話す人を見る・手は机の上・声は出さない」
というように、行動が目に浮かぶ言葉で伝えます。そして、できたらすぐに「今の聞き方、よかったね」と声をかける。この「教え直す → できたら認める」の流れが、クラスを少しずつ立て直していきます。
視点③ 環境と流れを、子ども目線で見直す
子どもは「環境」にとても影響される
立ち歩く子がいるとき、「落ち着きがない」と思ってしまいがちですが、
- どこに行けばいいか分からない
- 待つ時間が長すぎる
- 次に何をするか見えない
といった環境の影響も大きいのです。
迷わない仕組みが、行動を変える
- 動線を一本にする
- やることを黒板に書いておく
- 合図を視覚で示す
これらはすべて、子どもが安心して動くための工夫です。同時に、先生にとっても注意や声かけを減らしてくれる、大切な味方になります。
立て直しは「一気にやらなくていい」
今日やるのは、ひとつだけでOK
関わり方・やり方・環境。この3つの中から、今日はひとつで十分です。全部を一度に変えようとすると、先生も子どもも疲れてしまいます。
うまくいかない日は、前に進んでいる日
やり方を変えると、一時的にうまくいかなくなることもあります。でもそれは、クラスが新しいやり方に慣れようとしている途中。うまくいかない=失敗ではありません。調整中です。
おわりに|立て直しは「叱ること」じゃない
学級がうまく回らないとき、必要なのは、もっと厳しくすることではありません。
- できている行動を見つける
- やり方をはっきり伝え直す
- 迷わない環境をつくる
この3つを意識するだけで、クラスは少しずつ、確実に動き出します。そして何より、先生自身が「一人で抱えなくていい」ということを、どうか忘れないでください。
今日できることを、今日ひとつ。それで大丈夫です。
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