新学期のスタートは、
たくさんの掲示物を作りますよね。
学級目標、係の紹介、
自己紹介カード。
「子どもたちのために」
という気持ちで、
壁いっぱいに飾った教室。
その熱量、私も同じでした。
だからこそ、この記事は
新年度のはじまりに
一度立ち止まって、
「どこに貼るか」
「何を貼るか」
を一緒に考えてほしい
という気持ちで書きました。
答えはひとつではありません。
私の考えを書いてみたので
ぜひ参考にしてほしいと思います。
この視点を持って
一年間過ごすだけで、
クラスの雰囲気は
きっと変わっていきます。
その掲示物、子どもたちは
本当に見ているでしょうか?
この記事では、
学級崩壊を引き起こしやすい
クラスの共通点と、
学級経営を根本から変える
「掲示物の使い方」
を一緒に考えていきたいと思います。
掲示物が多いクラスは、なぜ荒れやすいのか
少し話しにくいテーマかもしれませんが、
一緒に考えてみてほしいことがあります。
もちろん、
学級崩壊しているクラスの先生が
全員そうだとは思っていません。
でも、学級崩壊に
近い状態になっている
クラスの教室を見ると、
掲示物がたくさんあるクラスに
多い傾向があるんです。
もちろん、掲示物が多いこと自体、
悪いわけではありません。
子どもたちのために一生懸命作った、
その気持ちはすごく大切だと思っています。
掲示物は使い方次第で
効果的な使い方ができます。
それをこの記事で
一緒に考えていきたいのです。
子どもたちの目線に立ってみると、
少しずつ見えてくるものがあります。
情報が多すぎる空間は、
人を疲れさせてしまいます。
壁中に貼られた文字、
カラフルなポスター、
学習のめあて、生活目標。
大人でも情報過多の空間では
落ち着けませんよね。
子どもたちは、もっと敏感なんです。
「先生の教室」になっていませんか
掲示物が多い教室には、
もうひとつ気になることがあります。
それは、
「先生が管理している空間」
になりやすいということです。
先生が作ったものが壁を埋め尽くすとき、
そこはいつの間にか
「先生の教室」
になっています。
子どもたちが
「自分たちのクラスだ」
と感じにくくなるのです。
その感覚のなさが、じわじわと
学級経営に影響してしまいます。
貼ったままにしていませんか
もうひとつ、
一緒に意識してほしいことがあります。
それは、
掲示物を貼ったら、
きれいな状態を保つことです。
少しはがれかけていたり、
画鋲が取れていたり、
端が破れていたりしていませんか?
気づいたらすぐに直す。
それだけで、教室の雰囲気は
ずいぶん変わります。
傷んだ掲示物をそのまま放置していると、
教室全体がじわじわと荒れていきます。
「このくらいいいか」
が積み重なるうちに、
子どもたちも
「このくらいいいか」
という感覚になっていきます。
それが、
学級崩壊への入口に
なってしまうことがあるんです。
掲示物の管理は、学級経営そのもの
だと私は思っています。
貼りっぱなしにせず、
こまめに見直して、きれいに保つ。
そのひと手間が、
クラスへの先生の姿勢として
子どもたちにちゃんと伝わっていきます。
| ❌ 掲示物が多い教室 | ✅ 余白のある教室 |
|---|---|
| 先生→子どもへの一方通行 | 子ども同士の会話が生まれる |
| 情報で埋め尽くされている | 余白があるから目に入る |
| 「先生の教室」になりやすい | 「自分たちのクラス」と感じる |
| 視覚的ノイズで落ち着かない | 子どもが安心して過ごせる |
「伝える掲示物」から「つなぐ掲示物」へ
これまでの掲示物の多くは、
先生から子どもへの
一方通行でしたよね。
目標を伝える。ルールを伝える。
学習内容を伝える。
もちろん、それが悪いわけではありません。
でも私が一緒に考えたいのは、
子ども同士が会話を始めるための、
「しかけとしての掲示物」という視点です。
掲示物が、
子どもと子どもをつなぐ
きっかけになったら。
先生が説明しなくても、
掲示物を見た子が
「あれ、なに?」
と隣の子に話しかける。
そういう瞬間こそが、
きき合えるクラスの
入口だと思いませんか?
「掲示物を減らす」のではなく、
「掲示物の目的を変える」
という発想の転換。
これが、
学級経営を
大きく変えるきっかけになります。
すぐに実践できる!しかけとしての掲示物 3つの方法
① 前面には貼らない。動線上に点在させる
まず取り組んでみてほしいのが、
黒板まわりをすっきりさせることです。
子どもたちが授業中にいちばん長く
目を向ける場所は、黒板の周辺ですよね。
そこに情報を貼り込むほど、
集中はどんどん散らされて
いってしまいます。
特に気になるのが、
特別な支援が必要な子や、
視覚優位の子への影響です。
視覚から入る情報量が多いほど、
気が散りやすくなったり、
どこを見ればいいか
わからなくなったりすることがあります。
前面の掲示物を減らすことは、
そういった子たちが
安心して授業に向かえる環境を
つくることにもつながっています。
掲示物は側面・背面・廊下側へ
貼るようにしましょう。
食の配膳中、掃除のとき、
移動のついでに
「ふと目に入る」場所に
点在させてみてください。
意識して見るのではなく、
ふと目に入る。
その偶然の出会いが、
子ども同士の会話を生んでいきます。
② 思い出の写真を、説明なしで貼る
私が特にに大切にしているのが、
クラスの思い出の写真を掲示することです。
運動会の練習中の一コマ。
給食でみんなが笑っている瞬間。
体育の授業で、
誰かがはじめてできた瞬間の顔。
写真には、説明を
つけすぎないようにしています。
説明は最小限にして、
余白を残してみてください。
📷 ある日の教室で
廊下側の壁に、
体育の授業中の写真を1枚だけ貼りました。
説明は何もなし。
翌朝、登校してきた子たちが
自然と集まり始めました。
「あ、これあのときの写真やん」
「この顔めっちゃいい」
「先生、もっと貼って」
写真は先生から子どもへの情報ではなく、
子どもたち自身の記憶です。
自分たちが写っているから、
自分たちのこととして受け取れる。
そしてその写真を一緒に見ながら、
自然と言葉が生まれていきました。
③ 完成品より「考えた跡」を貼る
丁寧に仕上げた作品だけを並べると、
教室はとてもきれいになりますよね。
でも、それは同時に
「うまい子の作品展」
になりやすいという
一面もあります。
私が大切にしたいのは、
苦手な子も
同じ場所で輝けることです。
完成度より、
その子が考えた跡を残す。
すると「上手か下手か」ではなく
「何を考えたか」に
目が向くようになっていきます。
苦手な子の掲示物が、
うまい子と同じように並びます。
これは
体育の授業でも
大切にしていることと、
根っこは同じです。
苦手な子がいることで、
チームのマイナスにならない。
掲示物でも授業でも、
全員が同じ場所に立てる仕掛けを
一緒に考えていきたいと思っています。
余白のある教室が、きき合えるクラスをつくる
情報を減らすことは、
手を抜くことではありません。
それは私自身、最初はなかなか
踏み出せなかったことでもあります。
でも実際にやってみると、気づくんです。
余白を作ることで、
子どもたちが入れる
隙間が生まれるということに。
ぎっしり埋まった壁は、
先生の熱意の表れかもしれません。
でも子どもたちには、
「もう完成している空間」として
映っているかもしれません。
学級経営の土台は、
きき合える関係だと私は思っています。
自分の話を最後まで
聴いてもらえた経験がある子は、
次に自分が話すとき、
安心して言葉を出すことができます。
その関係は、授業の中だけでなく、
教室の壁からも育てることができます。
掲示物が子どもと子どもをつなぐ
きっかけになったとき、そのクラスはもう
「先生が管理している空間」
ではなくなっています。
少し引いてみる。
前面をすっきりさせる。
写真1枚だけ貼って、説明しない。
そのとき教室は、先生の教室から、
子どもたちの教室に
少しずつ変わっていくと思います。
最後に…
教室の壁を
少しだけ見渡してみてください。
そこにある掲示物は、
子どもと子どもをつないでいますか?
答えはひとつではありませんし、
正解もないと思っています。
教室の壁からも
子どもたちの関係を育てられる
というこの視点が、
先生の学級経営のヒントに
なれたらうれしいです。
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