毎朝、職員室に入るたびに、こんなこと気持ちを抱えていませんか?
「この仕事は好きだ。子どもたちのことも、授業を考える時間も。でも……このまま定年まで、ずっとこの繰り返しでいいのだろうか。」
頭ではわかっているんです。
教員という仕事の意義は本物だと。
でも夜、一人になったとき、どこか満たされない感覚が消えない…。
それが何なのかも、うまく言葉にできないまま、また翌朝を迎える…。
もし、以下のような悩みが一つでも当てはまるなら、この記事はあなたのためのものです。
- 「大学院まで出たのに、なんで自分はここで止まっているんだろう」と感じることがある
- 大学教員へのキャリアチェンジを考えたことはあるが、「年齢的に遅い」「コネも実績もない」と諦めている
- 教員からの転職に興味はあるが、具体的に何から始めればいいかわからない
- 将来のキャリアについて、同僚や家族に相談できず、ひとりで悩みを抱えている
- 「自分の実践には価値があるはず」という感覚はあるのに、証明する方法がわからない
あなたの価値を証明する、最大の鍵。
それが、「活字実績」です。
「論文なんて書けない」と身構える必要はありません。
教育誌への実践報告という身近な一歩から、キャリアの扉は十分に開かれます。
今回インタビューさせていただいたのは、本コミュニティにも所属されている小田和也先生です。
小田先生はまさに、「活字実績」が大学側に評価され、公立中学校教員から大学教員へのリアルなキャリアチェンジの当事者です。
小田先生は、新潟県・佐渡島の公立中学校で社会科を約10年教えたのち、名古屋経済大学の准教授として「資産形成教育」を専門に研究・教育されています。
小田 和也(おだ かずや)先生

【所属】
名古屋経済大学 法学部ビジネス法学科
【職名】
准教授
【専門分野】
社会科教育法、公民科教育法
【研究テーマ】
中等社会系教科における金融経済教育カリキュラムの開発と評価-資産形成教育を中核として-
【略歴】
2011年 明治大学文学部卒業
2013年 明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了
2013年 新潟県佐渡市立畑野中学校 非常勤講師
2014年 佐渡市教育委員会社会教育課 主事
2017年 新潟県見附市立西中学校 教諭
2020年 新潟県佐渡市立高千中学校 教諭
2024年 新潟県佐渡市立佐和田中学校 教諭
2026年 名古屋経済大学 准教授
【主な著書・論文】
- 「子供たちに「お金」をどう教えるか?―人生100年時代を生き抜くために―」明治大学教育会紀要(17)(2025年)
- 「公立中学校での金融教育の試み~地域の伝統芸能を核とした総合的な学習の時間を通して」明治大学教育会紀要(17)(2025年)
- 「時代の特色を表現できる生徒を育む―単元のデザインと複線型の学習を通して―」宗實直樹・椎井慎太郎編著『社会科「個別最適な学び」授業デザイン(分担執筆)(2024年)
【社会的活動】
- 資産形成教育に関する研究会(日本証券業協会 金融経済教育推進部) 委員
- 明治大学教育会 事務局員
【所属学会】
- 日本社会科教育学会 会員
- 日本経済教育学会 会員
- 日本生活科・総合的学習教育学会 会員
【成果・実績】
- 2022年第21回「特色ある教育実践 学校・園部門」優良賞(共同執筆)(公益財団法人日本教育公務員弘済会新潟支部)
- 2022年第37回「教育奨励賞」努力賞(共同執筆)(㈱時事通信社)
- 2023年「For A Brighter Future -心豊かな社会をつくるために私のやりたいこと」コンテスト 最優秀賞(共同提案)(心豊かな社会をつくるための子ども教育財団)
- 2025年新潟県優秀教職員
※その他にも多数のご実績をおもちです。
下記のリサーチマップをご覧ください。
この記事では、小田先生の実践・実績・行動・現在の状況を余すことなくお伝えします。
「大学教員になるには何が必要か」「活字実績はどう積めばいいか」という具体的な問いに答えながら、公立中学校教員ならではの強みが大学でどう活かされているかもご紹介します。
大学教員へのキャリアチェンジのきっかけとなった授業づくりとは──小田先生の中学校教員時代の実践
「自立した学習者を育てる」をテーマにした10年間
小田先生が公立中学校教員として軸に置いていたのは、一貫して「社会科を通して自立した学習者を育てること」でした。単元を貫く問いを設計し、子どもたちに考えさせ続けた結果、いま注目される「自由進度学習」や「個別最適な学び」の形が自然と生まれていたといいます。
単元を通してどんな力をつけたいかを考えていたら、自然と今話題になっている「自由進度学習」や「個別最適な学び」のような形になっていました。流行を追ったのではなく、子どもから逆算した結果です。(小田先生 談)
佐渡の伝統芸能×クラウドファンディング:公立中学校で前例の少ない実践
なかでも注目を集めたのが、
総合的な学習の時間に取り組んだ「佐渡の文弥人形(伝統人形芝居)の継承」プロジェクトです。

地域の伝統芸能を残すために、生徒たちが自らクラウドファンディングを企画・実行しました。
なんと100万円以上の資金調達に成功し、中学生が主体的に佐渡の文弥人形の魅力を発信する実践となりました。
当時、公立中学校でここまで踏み込んだ実践は前例が少なく、資産形成・経済教育という切り口でも学会で注目を集めることになります。
子どもたちは「自分たちが適切にアピールすれば社会に影響を与えられるんだ」と実感できたようです。学校の学びと現実社会の繋がりを感じてもらえたのは、一番の成果でした。(小田先生 談)
なぜこの実践が転機になったのか
優れた授業実践は全国に無数にあります。
しかし、小田先生は、それを学会で発表し、教育雑誌に書いて、活字として残したこと。
その積み重ねが、後に大学教員の目に触れる土台になりました。
学会で発表し、
教育雑誌に書いて、
活字として残した。
「大学教員になりたい」──夢を諦めかけ、再び決意した経緯
小田先生には、大学院を修了した時点で「大学教員になりたい」という夢がありました。
しかし「これでは食べていけない」という壁に直面し、一度は断念…。
教員採用試験を受け、中学校教員になる道を選びました。
子どもたちとの授業に打ち込み、実績を積み重ねるうちに、ある感覚が戻ってきました。
「今の自分ならなれるんじゃないか」
クラウドファンディングの実践が学会で評価され始めた頃、
昔の夢が再び動き出しました。
家族に話し、同僚には話さなかった
奥さんには正直に話したものの、職場の同僚には一切話しませんでした。
「辞めるつもりだと思われるのも、人間関係を壊すのも嫌だった」
という言葉に、現場教員ならではのリアルな葛藤がにじみます。
奥さんも当初は「どうせ無理でしょ」と半信半疑だったといいます。
それでも小田先生は静かに準備を続けました。
家族(妻)にはしましたが、同僚には一切しませんでした。辞めるつもりだと思われるのも、人間関係を壊すのも嫌だったので。妻も当時は本気にしていなかったと思います。(小田先生 談)
インタビューさせていただいた私には、
「誰にも応援されなくていい。理解されなくていい。それでも準備をやめなかった人だけが、チャンスをものにできる」
という小田先生の強い信念がひしひしと伝わってきました。
内定まで怒涛の1ヵ月――キャリアチェンジ実例の全プロセス
実際のキャリアチェンジプロセスは、想像よりもずっとドラマチックでした。
学会発表を聞いていた大学教員から声がかかり、わずか1か月以内で内定に至ります。

- 準備2023年(教員7年目~)
学会発表・教育雑誌への実践報告寄稿などで「活字実績」を蓄積。東京の大学への公募も複数出すが、書類審査で不通過が続く。
- 接触2025年11月4週目
学会での発表を聴いていた大学の先生から「あなたの実績や合いそうな募集があるけど応募してみない?」と紹介される。自分では40代後半〜50歳ごろにチャンスがあれば、と思っていたため想定外のタイミングだった。
- 選考2025年12月2週目
書類審査通過。学長面談・模擬授業を実施。年末の校務・修学旅行準備と並行してのバタバタした準備期間。「超忙しい時期でした(笑)」と振り返る。
- 内定2025年12月4週目
名古屋経済大学 法学部 准教授として内定。
東京の大学は書類落ち。
そんな小田先生が、なぜ名古屋経済大学では一発内定できたのか?
答えはシンプルです。
コツコツと「学会発表」や「活字実績」を積み上げてきたからです。
学会で愚直に発表し続けたことで、採用側はすでに小田先生の実力を知っているという状態になっていたのです。
地道な活字実績と学会発表の継続。
これこそが、大学教員へのキャリアをぐっと手繰り寄せた決定打でした。
大学教員になって変わったこと・変わらなかったこと

変わったこと──圧倒的に増えた「自分の裁量」と研究時間
中学教員時代は「やらなければならないこと」に追われていたと語る小田先生。
大学教員にキャリアチェンジしてからは、自分の研究に集中できる時間が大幅に増えました。
個人の研究室を持ち、自分のペースで仕事を進められる環境は、小田先生には特に合っているといいます。
職員室のように人が動いたり声をかけられたりする環境より、個人の研究室で集中できる環境が本当にありがたいです。中学校の仕事も充実していましたが、今のスタイルは明らかに自分に合っています。(小田先生 談)
変わらなかったこと──中学教員の経験が大学でそのまま武器になる
大学の授業は90分間しゃべり続けるスタイルが主流ですが、小田先生は中学教員時代とまったく同じように、学生に考えさせ・対話させる授業を展開しています。
大学生も中学生も、本質的には変わらないなと(笑)。
「名プレーヤーが名監督になれるわけではない」のと同じで、研究のプロが教えるプロとは限りません。学習者を夢中にさせる授業スタイルは、大学でも十分通用しますし、むしろ必要だと感じています。(小田先生 談)
大学教員への転職チャンスを掴む!「活字実績」を積むための4ステップ
小田先生が最も強調したのが「活字実績を積むこと」です。
大学教員の採用では、書類審査が最初の関門。
そこで問われるのは
「研究者・教育者としての実績が形として残っているか」だけです。
口頭での説明は評価されません。
研究紀要だけでなく、教育雑誌の実践報告など、自分の授業とリンクする実績を活字で残しておくと、大学教員としての資格審査で評価されます。どこで発表したかも大事ですが、それ以上に形に残すことが重要だと、私も先生から教わりました。(小田先生 談)

- STEP1実践テーマを一本に絞る
「自分は何を通して子どもに何の力をつけたいか」を言語化する。テーマが一貫していると、採用側から見て「この人はこの分野の専門家だ」と映る。
- STEP2学会で発表し続ける
地域の教育学会から参加するのが現実的な第一歩。発表を続けることで大学教員とのネットワークが生まれ、紹介の可能性も出てくる。
- STEP3教育雑誌・紀要に書く
査読付き論文でなくても構わない。「教育誌に掲載された実践報告」という事実が審査で評価される。まず授業記録を文章にする習慣から。
- STEP4公募に応募し続ける
不採用が続いても止めない。小田先生も「お祈りメール」を何通も受け取っている。応募を続けることで実績が磨かれ、タイミングが来たとき動ける準備が整う。
近年、大学側は「現場経験を持つ実務家教員」を積極的に採用する流れになっています。
中学校教員として積み上げた、子どもの発達段階に合わせた授業設計力・学習者を動機づける技術・現場のリアルな問題解決経験──これらは研究者出身の教員以上のスキルです。
中学校教員の経験は、今まさに「希少な強み」になっています。
中学校教員から大学教員へのキャリアチェンジ実例から学べること
小田和也先生のキャリアチェンジ実例から学べることを整理します。

学び① 現場の実践力が最大の武器
子どもの学びを設計する力は、研究者出身の教員にはない希少スキル。
中学校教員の経験はハンディではなく強みです。
学び② 実践は必ず活字に残す
どんなに優れた授業も、文字になっていなければ審査員には伝わりません。
今日から記録・発信の習慣を。
学び③ 学会参加が人脈とチャンスを生む
小田先生の大学教員への道は学会でのつながりから。
発表し続けることが、タイミングが来たとき動ける準備になります。
学び④ 静かに、着実に準備する
周囲に話さなくていい。
同僚に応援されてから動くのでは遅い。
準備ができている人にチャンスは来ます。
「このまま中学教員でいいのか」という問いへの答えは、人それぞれです。
でも「大学教員になりたい」という夢を持つ先生にとって、
小田先生のキャリアチェンジ実例は一つの明確な道を示しています。
今日の授業実践を、明日の活字実績に変えていく。
その習慣の積み重ねが、いつかキャリアチェンジの扉を開きます。
教員からの転職・キャリアチェンジの悩みは『ジーニー』へ
小田先生のように大学教員へのキャリアチェンジを目指したい先生。
あるいは「転職すべきか、続けるべきか」まだ答えが出ていない先生。
どちらの段階でも、教員コミュニティ『ジーニー』には同じ悩みを経験してきた仲間と、具体的なアドバイスをくれる先輩がいます。
小田先生ご本人への相談窓口もご用意しています。
また「大学教員以外の選択肢も含めて、自分に合うキャリアを一緒に考えたい」も歓迎です。
お気軽に公式LINEからお問い合わせください。
▼教員コミュニティ『ジーニー』へのキャリアのご相談はこちら

「まだ転職すると決断はできていない」という段階での相談も大歓迎です。
まずは、話すだけでも、きっと次の一歩が見えてきます。
今日、この瞬間にキャリアについて考えたことも、あなたの未来をつくる立派な一歩です。
優れた授業を「活字」に変えていくように、あなたの心のモヤモヤも、まずは言葉にして外に出すことから始まります。
あなたのこれまでの教員生活、そしてこれからの未来を、一緒に価値ある形にしていきませんか?
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