イベント報告

【開催報告】第5回 道徳発問作成会〜「友情・信頼」の正解なき問いを、先生たちと探究する〜

イベント報告

卒業式を目前に控えた2026年3月16日の夜。
教育現場が一年で最も忙しく、そして感慨深い空気に包まれるこの時期に、教員コミュニティ『ジーニー』では 30名の教育関係者 がオンラインに集まりました。

この日開催されたのは、ジーニー恒例イベントとなっている 「道徳発問作成会」
今回は第5回目となり、テーマは「友情・信頼」です。

卒業式前夜というタイミングにも関わらず、多くの先生方が休息ではなく「学び」と「対話」を選び、熱量の高い時間となりました。本記事では、その様子をレポートします。

対話から授業を生み出す ― ジーニーの学びのスタイル

教員コミュニティ『ジーニー』の特徴は、一方的な講義ではなく 参加型・対話型の学び にあります。

今回のイベントも、道徳教育の実践家・中村先生の進行のもと、全国の先生方がチャットや音声でリアルタイムに意見を出し合う形で進行しました。

卒業式前日という忙しい時期にも関わらず、チャット欄には次々と意見が投稿され、画面には先生方の思考が次々と可視化されていきます。

中村先生は冒頭で次のように語りました。

「今日は答えを探す時間ではなく、 問いを育てる時間 にしましょう。」

この言葉が、参加者全体の思考の方向を示す合図となりました。

「友情・信頼」をどう捉えるか

道徳の授業を設計する上で重要なのは、内容項目の意味を深く理解することです。
今回の会では、学習指導要領に基づき、学年ごとのねらいを整理しました。

学年段階別の「友情・信頼」のねらい

小学校1・2年生
友達と仲良くし、助け合うこと

小学校3・4年生
友達と互いに理解し、信頼し、助け合うこと

小学校5・6年生
互いに信頼し学び合いながら友情を深め、人間関係を築くこと

中学校
友情の尊さを理解し、励まし合いながら人間関係を深めること

中村先生は、友情と信頼は現実の人間関係では密接に結びついているため、 研修ではあえて切り離さず考える ことが有効だと説明しました。

一方で、実際の授業では次のような重要なポイントも示されました。

授業では「友情」か「信頼」か、 どちらかに焦点を絞ることが大切
ねらいを広げすぎると、子どもの思考が分散してしまうからです。

これは授業づくりの実践的なヒントとして、多くの参加者がメモを取っていました。

子どもの心を揺さぶる「問い」

ワークショップでは、参加者から数多くの問いが生まれました。
現場で子どもたちと向き合っている先生方ならではの視点です。

例えば次のような問いです。

人間理解の視点

・クラス全員と仲良くすることは本当に可能なのか
・友達はたくさん必要なのか

境界線の視点

・友達と知り合いの違いは何か
・友達と「仲間」は同じなのか

逆説的な視点

・大切な友達なのに、なぜぶつかるのか
・友情が壊れる瞬間はいつか

現代的な視点

・AIと人間の間に友情は成立するのか

こうした問いは、教科書の「仲良くしましょう」という結論をそのまま受け入れるのではなく、 人間関係の本質に迫る問い として参加者の思考を刺激しました。

チャット欄はまさに「問いの種」で埋め尽くされていきました。

大きな議論になった2つのテーマ

今回特に盛り上がったテーマは、次の2つでした。

① 友達との「境界線」

友達とそうでない人の境界はあるのか。
この問いには様々な意見が出ました。

・自分を守るための境界線
・関係を深めるために乗り越える境界線

特に印象的だったのは、 教師の自己開示 についてのエピソードです。

ある先生が授業で自分の失敗や辛かった経験を話したところ、子どもたちがそっと手を握りに来たという話が共有されました。

人と人の間にある境界線が、ふと溶ける瞬間。
多くの参加者が心を動かされた場面でした。

② AIとの友情は成立するのか

現代ならではのテーマとして、「AIとの友情」も議論されました。

生成AIの回答を参考に、人間同士の友情との違いを整理しました。

AIとの関係

・常に否定せず、心地よい応答
・裏切りがない
・安定した関係

人間同士の友情

・時に衝突する
・関係が変化する
・努力して築き続ける必要がある

議論の中で浮かび上がったのは、

人間の友情は面倒で複雑だからこそ価値がある

という視点でした。

道徳の授業につながる「3つの理解」

最後に中村先生は、今回の対話を次の 3つの理解 として整理しました。

価値理解
友情や信頼の意味を考える

人間理解
分かっていてもできない人間の弱さを見つめる

他者理解
同じテーマでも多様な考え方があることを知る

道徳の授業は、徳目を教え込む時間ではなく、 人間を探究する時間
子どもが安心して悩み、考えられる場づくりが重要であることが改めて確認されました。

仲間と学び続けるコミュニティ

セッションの最後に、中村先生はこんな問いを投げかけました。

「今日集まった30人は、友達ですか?
それとも仲間ですか?」

教員コミュニティ『ジーニー』は、単なる情報交換の場ではありません。
共に悩み、学び、成長していく 仲間が集まる場所 です。

今後もジーニーでは、

・教育イベント
・教科別座談会
・リアル交流会

など、さまざまな企画を予定しています。

一人で悩むのではなく、志の近い仲間とつながることで、明日からの授業はきっと変わります。

ジーニーに参加したい方へ

今回のイベントに興味を持った方は、ぜひ 教員コミュニティ『ジーニー』 にご参加ください。

ジーニーでは
毎週水曜・木曜の21時から「ZOOM教員会」 を開催しています。

このZOOM教員会に参加していただいた方が、コミュニティに参加できる仕組みになっています。

教育について語り合える仲間と出会える場で、皆さんをお待ちしています。
ぜひ一度、ZOOM教員会に参加してみてください。
https://forms.gle/uHLZ5H8kEzq1buLa8

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