教員コミュニティ『ジーニー』では、子ども理解や学級経営の実践を深めるイベントとして、北海道の小学校教諭・たいち先生を講師に迎え、「心マトリクス」講義を開催しました。
本イベントは、学びの実践フレームワーク「けテぶれ(計画・テスト・分析・練習)」シリーズの第3弾として実施されたものです。
当日は全国から多くの先生方が参加し、
子どもの心理をどう理解し、どう自立を促すのかというテーマについて、実践的な学びと対話が行われました。
この記事では、イベント内容の一部をご紹介します。
なぜ今、子どもの「心の現在地」を可視化する必要があるのか
教師は日々、教室の中でこうした疑問に直面します。
- なぜ急にやる気がなくなったのか
- どうしてクラスの雰囲気が悪くなったのか
- なぜトラブルが続くのか
子どもの行動の背景には、必ずその時の心の状態があります。
しかし、その心の状態は外からは見えません。
そこで今回紹介されたのが
子どもの心の状態を「地図」として可視化するツール
「心マトリクス」です。
従来の教育現場では、問題行動に対して
- 注意する
- 叱る
- 指導する
といった対応が多く見られました。
一方で心マトリクスは、
子ども自身が「今の自分の心」を客観視するためのツールです。
感情を
- 良い
- 悪い
で判断するのではなく、
「今の心の位置」を確認するという考え方です。
この視点が、教室に心理的安全性を生み出し、
子どもの自己調整力や主体性を育てていきます。
心マトリクスとは?2つの軸で心の状態を理解する
心マトリクスは、子どもの心理状態を
2つの軸と9つの象徴で表したフレームワークです。
行動軸(自分軸)
- 上:自分で考えて行動する
- 下:考えず停滞している
対応軸(他者軸)
- 右:他者を信じ、思いやる
- 左:疑いや自己中心
この2つの軸によって、
子どもの状態を立体的に理解することができます。
心の現在地を表す9つのシンボル
心マトリクスでは、子どもの状態を次の象徴で表します。
地球(自分)
すべての起点。自分自身の中心。
月(集中)
黙々と学習や活動に取り組んでいる状態。
太陽(協力)
友達と協力しながら学び合っている状態。
星(理想)
集中と協力が両立した理想的な学びの状態。
お花(休憩)
一度力を抜き、休んでいる状態。
沼(停滞)
やる気が出ず、ダラダラしてしまう状態。
ブラックホール(負の連鎖)
周囲を巻き込み、悪い雰囲気が広がる状態。
雲(モヤモヤ)
不安や迷いがあり、気持ちが整理できていない状態。
雷(イライラ)
怒りや不満が溜まっている状態。
ここで大切なのは、
どの状態も「良い・悪い」で評価しないことです。
どの位置も単なる「現在地」です。
「今ここにいる」と認識することが、
自立への第一歩になります。
実践例① トラブル解決に活用する
講義では、心マトリクスを
トラブル対応に活用する方法も紹介されました。
例えば児童同士の喧嘩が起きた場合、
それぞれに
「どんな心の動きだったか」
をマトリクス上に線で描いてもらいます。
例
- 最初は雲だった
- 相手の言葉で雷になった
- その後ブラックホールになった
このように心の変化を可視化することで、
- 相手の気持ちを理解する
- なぜトラブルになったかを振り返る
といった深い対話が生まれます。
実践例② 授業の中で自己調整力を育てる
授業でも活用できます。
例えば
授業のはじめ
「今の気持ちはどこ?」
授業の終わり
「授業後の気持ちはどこ?」
このように確認することで、
子どもは
学びと感情の関係
を自覚するようになります。
また、
- 疲れたら「お花」で休む
- 集中したら「月」
といった形で、
自分の状態をコントロールする力が育っていきます。
導入のポイント|教師の姿勢が最も重要
心マトリクスを教室に導入するうえで、
最も大切なのは教師の姿勢です。
特に次の3点がポイントとして紹介されました。
① 心は移動することを伝える
低学年ではキャラクターを例に説明します。
例えば映画のジャイアン。
普段は怒りっぽいですが、
映画では仲間を助ける場面もあります。
つまり
人の心は動く
という理解を促すことが重要です。
② どの状態も受け入れる
星や月だけを評価してしまうと、
ツールは単なる管理になります。
沼や雷にいる子にも
「今ここなんだね」
と受け止めることが大切です。
③ 教師自身も開示する
教師が
「今日は先生も雷です」
と話すことで、
子どもたちも安心して
「自分は沼です」
と言えるようになります。
こうして教室に
共通言語が生まれていきます。
まとめ|子どもの心を理解する新しい学級経営
心マトリクスは魔法のツールではありません。
しかし、
- 子どもの心を理解する
- 自己調整力を育てる
- 教室の心理的安全性を高める
という点で、
学級経営に大きな可能性を持つフレームワークです。
教師が子どもの状態を俯瞰できるようになることで、
教室には余裕と安心感が生まれます。
教員コミュニティ『ジーニー』では今後も、
- けテぶれ
- QNKS
- 学級経営実践
などをテーマに、
全国の先生方が学び合えるイベントを開催していきます。
教員コミュニティ『ジーニー』のご案内
イベントの最後には、
「もっと話したい」
「全国の先生とつながりたい」
という声も多く聞かれました。
教員コミュニティ『ジーニー』では
毎週開催しているZOOM教員会を入口として、
全国の先生方が交流・学び合う場をつくっています。
参加をご希望の方は、
ぜひ一度ZOOM教員会にご参加ください。
お申し込みはこちらから👇
https://forms.gle/uHLZ5H8kEzq1buLa8
あなたとお会いできるのを楽しみにしています。
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