ブログ

研究授業が不安な若手教員へ|大切にしたい3つの視点と考え方

ブログ

研究授業の日程が決まった瞬間から、心のどこかにずっと重さが残っていませんか。

指導案がなかなか完成しない。何度書き直しても、しっくりこない。先輩や管理職に見られるのが怖い。協議会で厳しい意見を受けたらどうしよう。当日、指導案通りに進まなかったらどうしよう。

研究授業を控えた若手教員ほど、指導案の粗や当日の失敗を、実際以上に大きく捉えてしまいやすいです。もちろん、丁寧に準備することは大切です。しかし、研究授業で不安を感じるのは、先生の力不足だからではありません。普段より多くの人に見られること、指導案通りに進めなければと感じること、通常業務と重なり考える余白が少なくなること。これらが同時にかかるからこそ、緊張が強まりやすい構造を持っています。

指導案の粗が気になったことだけで、準備を終わらせなくて大丈夫です。この記事では、研究授業に向き合うときに大切にしたい視点を整理していきます。

1. はじめに|緊張が続く先生へ

研究授業が近づくと、多くの先生がこんなことを感じています。指導案がなかなか完成しない。予定通り進まなかったらどうしよう。参観する先生の視線が気になる。こうした気持ちが出てくるのは、それだけ授業づくりに真剣に向き合っているからです。

指導案通りに進まないと、失敗だと感じてしまう。そう思ってしまうのも無理はありません。指導案を作成すると授業の流れが明確になりますが、実際の子どもの発言や反応は、必ずしも計画通りになるとは限りません。想定と違う展開は、必ずしも授業の失敗ではなく、子どもの考えをもとに授業を深めるための材料になることもあります。

この記事では、少しでも気持ちを軽くして本番を迎えられるように、大切にしたい視点を整理していきます。

2. 若手教員ほど「指導案の粗」ばかり見えてしまう

指導案は、見返すたびに直したい部分が見つかるものです。特に研究授業前は、細部が気になり出すと、次のようなことが頭から離れなくなってしまいます。

発問がうまく練れていない気がする。

時間配分が崩れそうで不安。

想定していない答えが出たら、うまく返せる気がしない。

協議会で、的を外した授業だと思われるのではないか。

指導案の粗ばかりが見えてしまうのは、それだけ授業を丁寧に考えようとしてきた証拠でもあります。何も見ようとしていなければ、粗にも気づきません。ただし、粗ばかりを見続けると、準備そのものが苦しい時間になってしまいます。授業は生き物であり、子どもの発言によって流れが変わるのは自然なことです。大切なのは、足りない部分と同じくらい、これまで積み上げてきた考えにも目を向けることです。

3. 研究授業で大切にしたい3つの視点

準備や当日を振り返るときは、次の3つの視点で見てみると、気持ちも実践も少し楽になります。

① 子どもの学びを見る

完成された授業より先に、子どもの小さな学びの変化に目を向けてみてください。友達の意見を聞いて考えを付け足そうとした。根拠を示しながら発言しようとした。いつもは発言しない子が手を挙げようとした。授業の成果は、劇的な変化ではなく、こうした小さな動きとして現れます。

② 自分の授業づくりを見る

子どもの学びだけでなく、先生自身の変化にも目を向けましょう。子どもの反応を複数想定できるようになった。発問の意図を以前より説明できるようになった。準備を始めた頃の自分と比べると、考えの深まりは確実にあるはずです。

③ 積み重ねてきた準備を見る

特別に完璧な指導案が完成しなくても、先生は何度も授業を練り直してきました。何度も指導案を書き直した。資料を探し続けた。学年の先生や研究主任に相談した。この積み重ねてきた時間には、大きな意味があります。予定通り進んだかより、子どもの学びが動いたかを見る。その視点を持つだけで、当日の受け止め方が変わっていきます。

4. 評価ではなく「これからの授業に持っていきたいもの」を一つ見つける

準備を進めるとき、全部を完璧に仕上げようとすると苦しくなります。指摘を、自分自身への評価だと受け取ってしまうと、余計に苦しくなってしまいます。

だからこそ、改善点を全部探すのではなく、これからの授業に持っていきたいものを一つ見つけるくらいでよいのです。問い返しで考えを広げるやり方は続けたい。途中で誰かに相談する姿勢は続けたい。見取るポイントを、その時間は一つに絞るやり方は続けたい。研究授業の振り返りは、「できなかったこと探し」ではなく「これから残したいもの探し」です。

協議会の意見は、どう受け止めればいいのか

研究授業そのものより、多くの若手教員が身構えてしまうのが、放課後の協議会かもしれません。複数の先生から意見が重なると、自分の授業だけでなく、自分自身が否定されたような気持ちになってしまうことがあります。

ここで意識しておきたいのは、指摘を「自分への評価」と「授業への検証」に切り分けて聞くことです。「発問が分かりにくかった」という言葉は、先生の人格や能力への評価ではなく、その発問という一つの手立てが子どもにどう伝わったかを報告しているにすぎません。主語を「先生」ではなく「手立て」に置き換えて聞くと、受け止め方が変わってきます。

出された意見をすべて書き取り、一つずつ持ち帰って検討しようとする必要もありません。心に残った意見が二つあれば、それで十分な収穫です。

答えづらい指摘を受けたときは、「その視点はなかったです。ありがとうございます」とだけ返しても構いません。その場で結論を出そうとせず、次に試したいことが一つ見つかれば、その協議会は十分に意味のあるものだったといえます。

5. 研究授業前の簡単チェックリスト

全部を完璧に確認しようとすると、かえって不安が大きくなります。研究授業前は、次の4つのうち気になるものを一つだけ確認しておけば十分です。

  • この時間で子どもにつけたい力を一つに絞り込めているか
  • 指導案を台本ではなく、大まかな進行を示す地図として捉えられているか
  • 子どもの予想される反応やつまずきをイメージできているか
  • 準備の過程で、学年の先生や研究主任に一度でも相談できたか

想定と違う子どもの反応は、崩れではなく、子どもの思考がそのまま表れた結果です。

6. 研究授業の経験は、日々の授業づくりにつながる

研究授業のために整理した「子どもに何を学んでほしいか」という視点は、そのまま日々の授業づくりにも生きていきます。研究授業に取り組む前の自分と比べると、発問の工夫や子どもの反応の想定など、授業づくりの視野は確実に広がっています。成長は一直線ではなく、揺れながら積み重なっていくものです。研究授業は特別な行事ではなく、日々の授業づくりの延長線上にあります。

7. おわりに|うまく見せられなくても終わらせなくていい

研究授業が終わると、うまくいかなかった場面ばかりが思い浮かぶかもしれません。それは自然なことです。でも、この期間、先生は確かに授業と向き合い続けてきました。何度も指導案を書き直し、資料を探し続け、当日に向けて考え続けてきました。

積み重ねてきた準備の中に、次につながる力があります。

研究授業、本当におつかれさまでした。まずは、何度も書き直した指導案と向き合ってきた自分自身にも、少し目を向けてあげてください。

8. 関連記事

教員が6月にしんどくなるのはなぜ?|頑張っている先生ほど疲れてしまう理由
はじめに|6月になると、急にしんどくなる先生がいる6月になると、教員の中にはこんな感覚を持つ人が増えてきます。朝、学校へ向かう足が重い授業をする前から疲れている子どもに優しくしたいのに、余裕がない学級経営がうまくいっていない気がする周りの先…
“自信”って何?〜若手教員が知っておきたい成長の正体〜
はじめに|「自信がない」と感じるのは、あなただけではない若手教員の中には、毎日のようにこんなことを感じている人がいます。毎日必死なのに、うまくいっている実感がな周りの先生と比べて落ち込む学級経営がこれでいいのか分からない子どもとの関わり方に…
CY
CY

👩‍🏫「無理なく、でもあたたかく。」教員11年目
🌱病休経験→今は「若手育成」に注目!
👶 子どもにも先生にも“ゆるっと心地よい”学校をめざす

CY先生の書いたブログ一覧はこちら

CYをフォローする
タイトルとURLをコピーしました