はじめに|6月になると、急にしんどくなる先生がいる
6月になると、教員の中にはこんな感覚を持つ人が増えてきます。
- 朝、学校へ向かう足が重い
- 授業をする前から疲れている
- 子どもに優しくしたいのに、余裕がない
- 学級経営がうまくいっていない気がする
- 周りの先生と比べて落ち込む
- 休日も仕事のことが頭から離れない
特に若手教員ほど、この感覚を「自分だけの問題」として抱え込みやすいです。
「もっと頑張らないと」
「自分の力が足りないのかもしれない」
「向いていないのかな」
そんなふうに、自分を責める方向へ考えてしまうこともあります。
でも、6月にしんどくなるのは、決して珍しいことではありません。
むしろ、4月から頑張ってきた先生ほど、6月に疲れが見え始めます。
この記事では、教員が6月にしんどくなりやすい理由を、若手教員にも分かりやすく整理していきます。
6月は「疲れが見え始める時期」
4月は、新年度の緊張感があります。
新しい学級、新しい子どもたち、新しい学年体制。不安もありますが、「頑張ろう」という気持ちで走り出せる時期でもあります。
5月は、少しずつ慣れ始める時期です。子どもの様子が見え始め、学級の空気も少しずつ形になっていきます。
そして6月。ここで、4月から積み重なってきた疲れが表に出始めます。

4月:緊張と期待
↓
5月:勢いと適応
↓
6月:疲労・比較・迷い
6月のしんどさは、突然やってくるように感じます。
しかし実際には、4月からの疲れが少しずつ積み重なり、6月頃に見え始めていることが多いのです。
理由①|4月から頑張り続けた反動が出る
6月に教員がしんどくなる一つ目の理由は、頑張り続けた反動です。
4月の先生は、とても多くのことにエネルギーを使っています。
- 子どもの名前を覚える
- 学級のルールを整える
- 保護者との関係をつくる
- 学年の動きを把握する
- 授業の準備をする
- トラブルを未然に防ぐ
一つ一つは小さなことに見えても、毎日積み重なると大きな負担になります。
特に若手教員は、まだ仕事の見通しが持ちにくいため、常に頭をフル回転させています。
「次は何をすればいいか」
「この対応でよかったのか」
「明日の授業は大丈夫か」
このように、学校にいる時間だけでなく、家に帰ってからも考え続けてしまいます。
気力で走れる時期はあります。けれど、気力は無限ではありません。
6月の疲れは、「頑張っていないから」ではありません。
むしろ、4月から頑張り続けてきたからこそ、反動として出てくる疲れなのです。
理由②|成果が見えにくくなる
6月にしんどくなる二つ目の理由は、成果が見えにくくなることです。
4月は、少し頑張るだけでも変化が見えやすい時期です。
- 名前を呼ぶと、子どもが反応してくれる
- ルールを確認すると、学級が少し落ち着く
- 声をかけると、関係が少し近づく
しかし6月になると、学級の課題も見えてきます。
- 同じ指導を何度もしている
- 特定の子への対応に悩む
- 友だち同士のトラブルが増える
- 授業中の集中が続かない
- 自分の声かけが届いていない気がする
ここで若手教員は、「自分の学級経営はうまくいっていないのでは」と感じやすくなります。
しかし、これは学級が悪くなったというより、子どもたちの姿がよく見えるようになってきたとも言えます。
課題が見えるのは、学級を見る目が育ってきた証拠でもあります。
成果が見えにくい時期ほど、できていないことばかりが目につきます。
実際に、私の職場の同僚も「他のクラスと比べると・・・」とできない部分を気にしている場面がよくあります。
でもその裏側では、少しずつ関係ができ、学級の流れが育ち、子どもたちも先生も互いを理解し始めています。
理由③|周りと比べやすくなる
6月にしんどくなる三つ目の理由は、比較が増えることです。
4月は、自分のことで精一杯です。しかし少し慣れてくると、周りの様子が見え始めます。
- 隣のクラスは落ち着いているように見える
- 同期の先生は楽しそうに見える
- 先輩の先生は余裕があるように見える
- SNSではうまくいっている実践ばかり目に入る
すると、自然と自分と比べてしまいます。
「自分だけうまくいっていないのでは」
「自分は教員に向いていないのでは」
「もっとできるはずなのに」
比較そのものが悪いわけではありません。
ただし、比較が自己否定につながると、心は一気に疲れてしまいます。

比較
↓
焦り
↓
自己否定
↓
疲労
6月の教員のしんどさには、この「比較による疲れ」も大きく関係しています。
頑張っている先生ほど疲れてしまう理由
ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。
6月に疲れる先生は、頑張っていない先生ではありません。
むしろ、頑張っている先生ほど疲れやすいのです。
なぜなら、真面目な先生ほど、次のように考えるからです。
- 子どものためにもっとできることがあるはず
- 保護者に安心してもらいたい
- 学年に迷惑をかけたくない
- 授業も学級経営もちゃんとしたい
- 弱音を吐いてはいけない
この責任感は、とても大切なものです。
しかし、責任感が強すぎると、自分を休ませることが難しくなります。
「子どものために」が、いつの間にか「自分を削ること」になっていないか。
6月は、そのことを一度見直すタイミングでもあります。
私自身、なんとか踏ん張り続けて1学期を乗り越えたものの、2学期にまでそのダメージが残ってしまい、結局「病気休職」という経験をしたことがあります。自分を削って行なったことには、必ずダメージが残りますので、ぜひ子どもたちを大事にするのと同じかそれ以上に、自分も大切にしてください。
こんなサインが出ていませんか?
6月のしんどさは、心や体に小さなサインとして現れます。
次のような状態が続いている場合は、少し立ち止まってもよいかもしれません。
- 朝、学校へ行く前から疲れている
- 休日も仕事のことを考えてしまう
- 小さなことでイライラする
- 子どもの言動を受け流せなくなっている
- 帰宅後、何もする気が起きない
- 食欲や睡眠のリズムが乱れている
- 「自分は向いていない」と何度も考えてしまう
- 楽しかったことが楽しめなくなっている
これは、弱さではありません。
心と体が、「少し整える時間が必要です」と教えてくれているサインです。
6月に必要なのは「もっと頑張ること」ではない
しんどいときほど、人は「もっと頑張らなければ」と考えてしまいます。
しかし、6月に本当に必要なのは、さらに頑張ることではありません。

頑張る
↓
疲れる
↓
休む
↓
整える
↓
また進む
疲れているときに、無理に前へ進もうとすると、心も体も削られていきます。
一度立ち止まり、整えてから進むことは、決して後退ではありません。
6月にできる、小さな整え方
大きな改善をしようとしなくて大丈夫です。
6月に必要なのは、生活や働き方を少しだけ整えることです。

① 今日やらないことを一つ決める
全部を完璧に終わらせようとすると、いつまでも仕事は終わりません。
「今日はここまで」と決めることも、大切な仕事の力です。
② 誰かに一つだけ話す
しんどさは、言葉にしないと大きくなります。
全部を話さなくても大丈夫です。
「最近少し疲れていて」と一言出すだけでも、心の負担は少し軽くなります。
③ 自分を責める言葉を減らす
「自分はダメだ」と考える代わりに、こう言い換えてみます。
- 「ダメだった」ではなく「疲れていた」
- 「向いていない」ではなく「余裕がなくなっている」
- 「頑張れていない」ではなく「頑張り続けてきた」
おわりに|6月にしんどくなるのは、頑張ってきた証拠
教員が6月にしんどくなるのは、決して珍しいことではありません。
4月から緊張感の中で走り続け、5月も勢いで乗り切り、6月になってようやく疲れが見え始めます。
だから、6月にしんどくなるのは、頑張っていないからではありません。
頑張ってきたからこそ、疲れているのです。
もし今、少し心が重いなら、もっと頑張る前に、少し整える時間を取ってみてください。
休むことも、頼ることも、立ち止まることも、教員として続けていくために必要な力です。
6月は、無理に走り切る月ではなく、一度整える月でもいいのです。
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