1.はじめに:習慣化を「根性」ではなく「仕組み」で考える
教員の仕事は、子どもたちの成長を支えること。
だからこそ、「自分自身の生活や心を整えたい」と思っていても、日々の忙しさに追われ、運動や勉強、自己成長のための時間を後回しにしてしまうことも少なくありません。
「今年こそ運動を続けよう」
「毎日勉強しよう」
「もっと時間を有効に使おう」
そう決意したものの、数日で続かなくなってしまう。
でも、それは「意志が弱いから」ではないかもしれません。
今回のセミナーでは、習慣化を「気合」や「根性」の問題ではなく、脳の仕組みと行動を生み出す「環境・仕組み」の問題として捉え直しました。
講師を務めたのは、現役高校数学教師であり、コーチングにも取り組むなおき先生(ウィルフ先生)。
「どうすれば、忙しい教員でも無理なく行動を続けられるのか?」
その答えを、認知科学や自身の実践経験をもとに解説していただきました。
2.登壇者紹介:数学教師だからこそ生まれた「習慣化」の考え方
なおき先生は、現役の高校数学教師として教育現場に立ちながら、コーチングにも取り組んでいます。
習慣化についても、「頑張る」のではなく、「どうすれば自然と行動できる状態をつくれるか」という視点から発信しています。
なおき先生の実践と強み
- 「仕組み」で行動を考える
行動を精神論で捉えるのではなく、数学的な思考を生かして、再現可能な「仕組み」として設計。 - 習慣化の発信を継続
Threadsでは、運用開始からわずか2週間で3,000フォロワーを獲得するなど、多くの方から支持を集めています。 - 自身の生活でも実践
仕事と育児の忙しさから73kgまで増えた体重を、習慣化によって64kgまで減量。現在は、筋トレ・副業・育児を両立しています。 - 教育現場でも実践
生徒自身が目標を立てて行動したり、継続することの楽しさを感じたりするなど、習慣化とコーチングを教育にも生かしています。
なおき先生が一貫して伝えているのは、
「頑張ればできる」ではなく、「頑張らなくても続けられる仕組みをつくる」
という考え方です。
3.「やる気が出ない」の正体とは?
「やる気が出ない」
「三日坊主になってしまう」
「自分は意志が弱い」
そんなふうに考えてしまうことはありませんか?
今回のセミナーでは、これらを「性格」や「意志の弱さ」の問題ではなく、脳の仕組みから考えました。
脳を理解する3つのキーワード①コンフォートゾーン
自分にとって「これが普通」と感じる快適な領域のこと。
人は基本的に、この状態を維持しようとします。
脳を理解する3つのキーワード② ホメオスタシス
身体や脳が、現在の状態を保とうとする働きです。
そのため、新しいことを始めても、無意識のうちに「元の状態」に戻ろうとします。
つまり、三日坊主になってしまうのは、必ずしも「意志が弱いから」ではありません。
脳を理解する3つのキーワード③ RAS
RASは、脳が大量の情報の中から「自分にとって重要な情報」を選び出す仕組みです。
イメージするなら、脳の中にある「検索エンジン」。
自分が明確な目標を持つことで、それまで気づかなかった情報やヒントが目に入るようになります。
例えば、
「授業をもっと良くしたい」
と思い始めると、SNSや本、同僚との会話などから、授業改善につながる情報が以前より目に入ってくる。
これがRASの働きです。
4.実践ワーク①②:理想の未来と「後悔する未来」を描く
習慣化の第一歩は、「何をしたいのか」を明確にすること。
今回のセミナーでは、未来を具体的にイメージするワークにも取り組みました。
ワーク①:理想の未来を具体的に描く
「3ヶ月後にこうなっていたい」という未来を、できるだけ具体的に描きます。
- When: いつ達成している?
- Where: どこにいる?
- Who: 誰と一緒にいる?
- What: 何を達成している?
- Why: なぜ、それを達成したい?
- How: どんな方法で実現した?
- Emotion: そのとき、自分はどんな気持ち?
「運動する」「勉強する」といった抽象的な目標ではなく、達成した自分の姿をできるだけ具体的に描くことがポイントです。
ワーク②:何もしなかった未来を考える
もう一つは、「もし何も変えなかったら、3ヶ月後、半年後、1年後にどうなっているだろう?」と考えるワーク。
理想の未来だけを見るのではなく、「このまま何もしなかったらどうなるか」も考えることで、今の自分とのギャップが明確になります。
「こうなりたい」という未来と、
「このままではこうなってしまう」という未来。
この2つを具体的にイメージすることが、行動するための大きなエネルギーになります。
5.実践ワーク③:習慣化のポイントは「ハードルを下げる」こと
目標が明確になっても、実際の行動が難しければ続きません。
そこで重要になるのが、「行動のハードルを下げる」という考え方です。
今回紹介された習慣化の考え方をシンプルに表すと、
習慣化率 = 目標の解像度 ÷ 行動のハードル
目標を具体的にしながら、実際に取る行動はできるだけ小さくする。
これが、継続のポイントです。
① If-Thenプランニング
「もし○○したら、その後に△△する」と、あらかじめ行動を決めておきます。
例えば、
「歯を磨いたら、スクワットを5回する」
「コーヒーを飲んだら、本を1ページ読む」
というように、すでに習慣になっている行動に新しい行動をセットします。
② 行動を極限まで小さくする
「勉強する」という目標だけでは、行動のハードルが高く感じられます。
そこで、
部屋に行く → 椅子に座る → 本を開く
と、行動を細かく分解します。
最初から「1時間勉強する」必要はありません。
まずは「本を開く」。
この最初の一歩を限りなく小さくすることで、行動を始めやすくします。
③ AIや人を「壁打ち相手」にする
すべてを自分一人で考える必要もありません。
AIや仲間、コーチなどに相談しながら、
「なぜ続かなかったのか」
「どうすればもっと簡単にできるか」
を振り返ることで、仕組みを改善していくことができます。
6.教員自身が変わることで、子どもにも変化が生まれる
今回のセミナーで特に印象的だったのが、「教員自身が習慣化を実践すること」の意味です。
教育では、子どもたちに「目標を持とう」「努力しよう」「継続しよう」と伝える場面があります。
しかし、教員自身が、
「自分も目標を立てている」
「自分も試行錯誤している」
「仕組みを作って継続している」
という姿を見せることができれば、それは言葉以上の教育になります。
なおき先生の実践でも、生徒から
「先生、どうすればいいですか?」
と、自発的に相談される機会が増えたそうです。
「頑張れ」と言うのではなく、
「一緒に続けられる仕組みを考えてみよう」
と伴走する。
そんな関わり方が、子どもたちの自立にもつながっていきます。
7.まとめ:「習慣化」は才能ではなく、設計できる
今回のセミナーを通して見えてきたのは、
「続けられる人」と「続けられない人」の違いは、意志の強さだけではない
ということです。
大切なのは、
- 目標を具体的にする
- 理想の未来をイメージする
- 今のまま何もしない未来も考える
- 行動をできるだけ小さくする
- 既存の習慣と新しい行動を組み合わせる
- AIや仲間を活用して改善する
といった「仕組み」をつくること。
「もっと頑張らなければ」と考える前に、
「どうすれば、頑張らなくても続けられるだろう?」
と考えてみる。
それが、忙しい教員が自分の時間と人生を取り戻すための第一歩なのかもしれません。
8.「仕組みで変わる教員習慣ラボ」
今回のセミナーで講師を務めたなおき先生が、日々の習慣化をサポートするオープンチャットを運営しています。
現在は教員だけでなく、40名以上の保護者も参加。
「運動を習慣にしたい」
「勉強を続けたい」
「子どもの習慣化をサポートしたい」
など、それぞれの目標に向かって、仲間と一緒に取り組める場になっています。
一人ではなかなか続かないことも、仲間や環境があることで続けやすくなります。
興味のある方はお気軽に以下から覗いてみてください。
🔽オープンチャット「仕組みで変わる習慣ラボ」
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全国でさまざまなイベントを開催中
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- 学級経営
- AI活用
- キャリア
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- 不動産・資産形成
- 教員同士の交流
など、教員の「仕事」と「人生」の両方を豊かにするさまざまなイベントを開催しています。
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