イベント報告

【開催レポート】自律した学習者を育てる「けテぶれ」のリアル

イベント報告

「子どもが自分から学ぶようになってほしい」

多くの先生が願うことですが、そのために何をすればよいのか悩む場面も少なくありません。

今回の教員コミュニティ『ジーニー』では、「けテぶれ」を実践されている先生方をお招きし、子どもの主体性を育てる考え方や具体的な実践について学びました。

参加者からは、「明日からやってみたい!」「もっと詳しく知りたい!」という声が多く寄せられる、大変学びの深い時間となりました。

今回の学び3選

① 「失敗」は減らすものではなく、成長の材料である

けテぶれでは、テストを「評価」ではなく「実験」と考えます。

うまくいかなかったことは失敗ではなく、「次に何を改善すればいいかを教えてくれる情報」として扱います。

この考え方が、子どもたちの挑戦する力を育てています。

② 子どもは「勉強を教わる」のではなく「勉強の仕方を学ぶ」

漢字学習ひとつとっても、次の流れを繰り返すことで、子どもたちは自分で学ぶ力を身につけていきます。

  • 目標を立てる
  • やってみる
  • 振り返る
  • 改善する

③ 主体性は学習だけでなく学校生活全体に広がる

自分で考え、自分で改善する経験を積んだ子どもたちは、次のような場面にも主体的に関わるようになります。

  • 掃除
  • 当番活動
  • 学級運営
  • 人間関係

けテぶれは単なる勉強法ではなく、「生きる力」を育てる実践だと感じました。

「教師のウェルビーイング」から始まる学びの場

教員コミュニティ『ジーニー』では、「教職員ウェルビーイング」を大切にしています。

授業づくりだけでなく、キャリアや働き方、人間関係についても語り合うのは、教師自身が満たされていることが、子どもたちへのより良い教育につながると考えているからです。

教師が孤立せず、安心して相談できる仲間を持つこと。その環境こそが、子どもたちの安心感や主体性を育てる土台になります。

今回のテーマである「けテぶれ」は、まさに教師と子どもの双方の自律を支える実践でした。

「けテぶれ」とは何か?

登壇されたたいち先生や隆先生は、「けテぶれ」を子ども向けに最適化された自己改善サイクルと表現されていました。

ポイントは、「失敗」の意味を変えることです。テストは評価ではなく実験。分析は反省ではなく自己対話。

そう考えることで、失敗は避けるものではなく、成長するためのヒントになります。

けテぶれの4ステップ

  • け(計画):何を達成したいか決める
  • テ(テスト):とりあえずやってみる
  • ぶ(分析):結果を振り返る
  • れ(練習):改善に向けて行動する

このサイクルを回し続けることで、子どもたちは「自分で学ぶ力」を身につけていきます。

漢字学習で実践する「けテぶれ」

多くの学級で導入しやすい実践例として紹介されたのが「漢字けテぶれ」です。まずはマスターシートを活用しながら、学習の流れそのものを身につけていきます。

漢字けテぶれの流れ

  1. 計画:「10分で終わらせる」「苦手な熟語を覚える」
  2. テスト:ヒントなしで書いてみる
  3. 丸付け:自分で確認する
  4. 分析:間違えやすいポイントを見つける
  5. 練習:自分に必要な練習を行う

特に印象的だったのが「プラス点」の仕組みです。すでに習得している子どもは、さらに学びを深めることで加点されます。

  • 熟語を調べる
  • 意味を調べる
  • 使い方を考える

その結果、一斉指導でありながら、一人ひとりに合わせた学びが実現されていました。

子どもたちに起きた変化

自己有能感が高まる

全国学力・学習状況調査の結果からも、「自分にはできる」という感覚が大きく高まっていることが紹介されました。

勉強ができるようになるだけでなく、「自分は成長できる」という実感を持てることが大きな価値だと感じました。

学習が「やらされるもの」から変わる

ある児童は、自ら進んで2時間半もの家庭学習に取り組むようになったそうです。

勉強が義務ではなく、自分を成長させるためのものへと変わっていったことが伝わってきました。

学校生活全体が変わる

けテぶれによって育まれた「自分で考える」「自分で改善する」という姿勢は、次のような場面にも広がっていきます。

  • 掃除
  • 当番活動
  • 係活動
  • 人間関係

学習方法の改善が、生き方の改善につながっていることが印象的でした。

心に残った2つのエピソード

不登校だった子どもが登校するように

ある先生のクラスでは、不登校だった4人のうち2人が継続して登校するようになりました。

「自分で選んでいい」「自分のペースで進めていい」というメッセージが、子どもたちの安心感につながったそうです。

魚の絵を描き続けていた子ども

授業に参加せず魚の絵ばかり描いていた児童。しかし、その興味を否定せず見守り続けた結果、最終的には「ガンの生態」について専門的なレポートを書くほどの探究心を発揮するようになったそうです。

子どもの可能性を信じることの大切さを改めて感じるエピソードでした。

参加者自身も「けテぶれ」を体験

今回のイベントは、実は参加者自身が「けテぶれ」を体験する構成になっていました。

冒頭では、「今日何を学びたいですか?」という問いに対してチャットで目標を宣言。その後、次のサイクルを体験しました。

  • 話を聞く
  • 気づきを得る
  • 振り返る

単なる講義ではなく、「明日、自分のクラスで何を試してみようか」まで考えられる時間になりました。

おわりに

今回のイベントを通して強く感じたのは、「失敗は宝物である」という考え方です。

これは子どもたちだけでなく、教師自身にも当てはまります。授業づくりも、ICT活用も、新しい挑戦も、まずはやってみることから始まります。

教員コミュニティ『ジーニー』では、これからも全国の先生方が孤立せず、学び続けられる環境をつくっていきます。

学び続ける教師の姿こそ、子どもたちにとって最高の教材。そんなことを改めて実感した時間となりました。

教員コミュニティ『ジーニー』のご案内

『ジーニー』では、一人で頑張るのではなく、仲間とともに学び続けられる場を広げています。

  • 毎週水・木曜開催のZOOM交流会
  • 全国の先生とつながれるオープンチャット
  • 授業実践や働き方を学べるイベントを定期開催

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