みなさんこんにちは。
ゆーし@探究の教師です。
教室に立っていると、毎日のようにいろいろなことが起きます。
授業中に話を聞いていない子。
友達にきつい言い方をしてしまう子。
なかなか活動に入れない子。
休み時間のトラブルを引きずっている子。
注意すると、ふてくされたような表情を見せる子。
そんな姿を見た時、教師はつい思います。
「ちゃんとしてほしい」
「何回言えば分かるんだろう」
「今、注意しないとクラスが崩れるかもしれない」
もちろん、必要な指導はあります。
見逃してはいけないこともあります。
でも、若手の先生にこそ大切にしてほしいことがあります。
それは、叱る前に“見る”ということです。
1 子どもの行動には、必ず背景がある
子どもの姿は、表に見えている部分だけではありません。
たとえば、授業中にぼーっとしている子がいたとします。
表面的に見れば、
「集中していない」
「やる気がない」
「話を聞いていない」
ように見えるかもしれません。
でも、その背景にはいろいろな理由が考えられます。
- 前の時間のトラブルを引きずっているのかもしれない。
- 問題の意味が分からなくて止まっているのかもしれない。
- 隣の子との関係が気になっているのかもしれない。
- 朝から体調が悪いのかもしれない。
- 家で何かあったのかもしれない。
もちろん、全部を一瞬で見抜くことはできません。
でも、
「この子はなんで今、この姿なんだろう」
と考えることはできます。
これが、見取りの第一歩です。
叱ることは、行動に向けた働きかけです。
見ることは、その子の背景に向けた働きかけです。
この順番を間違えると、教師の言葉は子どもに届きにくくなります。
僕も、中堅と言われる年次に差しかかってきましたが、子ども姿に感情的になってしまい、見取りが不十分なまま指導をしてしまったことがあります。
その結果、本人は指導を受け入れるどころか、ひどく反発し、逆効果になってしまいました。指導とは子どもの達の成長を促し、姿、行動を変化させるように導くものです。そんな相手の観察を怠ってしまっては、反発、ハレーションを引き起こしかねません。
2 “見る”とは、ただ眺めることではない
見取りというと、難しく聞こえるかもしれません。
でも、簡単に言えば、
「子どもの姿から、今何が起きているのかを考えること」
です。
ただ教室全体を眺めることではありません。
「誰が話しているか」だけを見るのではなく、
「誰が話せていないか」を見る。
「誰が手を挙げたか」だけを見るのではなく、
「手は挙げていないけれど、表情が動いた子」を見る。
「誰ができていないか」だけを見るのではなく、
「どこで止まっているのか」を見る。
「トラブルを起こした子」だけを見るのではなく、
「その周りの関係性」を見る。
見取りとは、子どもの姿を材料にして、教室の今を読み取ることです。
そして、この力は才能ではありません。
毎日、少しずつ鍛えることができます。
3 叱る前に、3秒だけ見る
若手の頃は、どうしてもすぐに反応したくなります。
子どもが話している。
すぐ注意する。
姿勢が崩れている。
すぐ声をかける。
活動に入っていない。
すぐ動かそうとする。
もちろん、それが必要な場面もあります。
でも、毎回すぐに反応していると、教師は一日中注意し続けることになります。
そして、教室の空気も重くなっていきます。
だから、まずは3秒だけ見る。
- この子は何を見ているのか。
- 何に困っていそうか。
- 周りの子はどう反応しているか。
- 今、全体に言うべきか、個別に関わるべきか。
- そもそも今すぐ止める必要があるのか。
たった3秒でも、教師の対応は変わります。
「静かにしなさい」ではなく、
「今、何をする時間か分かる?」になるかもしれません。
「早くやりなさい」ではなく、
「どこで止まってる?」になるかもしれません。
「なんでそんなことするの」ではなく、
「何かあった?」になるかもしれません。
言葉が変わると、子どもの受け取り方も変わります。
4 見取りがあると、指導がやさしくなる
見取りができるようになると、ただ優しい先生になるわけではありません。
むしろ、指導が的確になります。
なぜなら、子どもの行動の背景を見ようとすることで、
「今、何を指導すべきか」
が見えやすくなるからです。
たとえば、友達にきつい言い方をした子がいたとします。
その時に、ただ
「そんな言い方はだめ」
で終わることもできます。
でも、見取りがあると、もう少し深く関われます。
その子は、相手を傷つけたかったのか。
自分の思いをうまく言えなかったのか。
先に嫌なことを言われていたのか。
周りに見られて、引けなくなったのか。
助けを求める別の言い方を知らなかったのか。
背景によって、必要な指導は変わります。
言葉遣いを教える必要があるのか。
気持ちの伝え方を一緒に考える必要があるのか。
相手との関係を調整する必要があるのか。
クラス全体で安心して話せる空気をつくる必要があるのか。
見取りがあるからこそ、指導はただの注意ではなくなります。
子どもを育てる関わりになります。
5 見取りは、学級経営の土台になる
学級経営というと、ルールづくりや仕組みづくりを思い浮かべる人も多いと思います。
もちろん、それも大切です。
でも、どんなにルールが整っていても、子どもの姿を見取れていなければ、学級経営はうまくいきません。
なぜなら、クラスは毎日変化しているからです。
昨日うまくいった声かけが、今日は合わないこともあります。
先週は落ち着いていた子が、今週は不安定になることもあります。
表では元気に見える子が、実はしんどさを抱えていることもあります。
だから教師は、決めたルールをただ当てはめるだけではなく、目の前の子どもたちに合わせて関わりを調整していく必要があります。
そのために必要なのが、見取りです。
見取りがある先生は、子どもを決めつけません。
「この子はいつもこう」
「このクラスはだめ」
「最近の子は話を聞かない」
そうやって一言でまとめずに、今の姿を見ようとします。
そこに、子どもへの信頼が生まれます。
そして、子どもも少しずつ感じます。
「あ、この先生は見てくれている」
「分かろうとしてくれている」
「ただ怒るだけじゃない」
この感覚が、教室の安心感につながっていきます。
6 今日からできる見取りの練習
では、見取りの力をどうやって鍛えればいいのでしょうか。
最初から完璧に見る必要はありません。
まずは、一日に一人だけでいいです。
気になる子を一人決めて、叱るためではなく、理解するために見る。
朝の表情はどうだったか。
誰と関わっていたか。
授業中、どの場面で動きが止まったか。
どんな時に笑ったか。
どんな時に表情が曇ったか。
帰りの会ではどんな様子だったか。
それを、メモに一言だけ残してみる。
僕は、素敵な姿を青、改善すべき点を赤、そこから考えるこちらの手立てを緑の文字で記録しています。
「算数の最初は止まっていたけど、友達に聞いた後は動けた」
「休み時間の後に切り替えが難しそうだった」
「国語で友達の発言にうなずいていた」
「掃除の時、自分から雑巾を取りに行った」
こうした小さな記録が、次の日の関わりを変えてくれます。
そして、もう一つ大切なのは、できていない姿だけを見ないことです。
子どものよさを見る。
小さな成長を見る。
一瞬の変化を見る。
見取りは、問題を探すためだけのものではありません。
可能性を見つけるためのものでもあります。
<今日のまとめ>
叱る前に、まず見る。
子どもの背景を見る。
言葉を変える。
その積み重ねが、安心できる教室をつくっていく。
おわりに
若手教師が最初に身につけたい力。
それは、うまく話す力でも、強く叱る力でも、完璧な授業をする力でもありません。
まずは、見る力です。
子どもの姿を見る。
背景を見る。
関係を見る。
教室の空気を見る。
そして、自分の関わり方を見る。
叱る前に、見る。
それだけで、教師の言葉は変わります。
子どもとの関係も変わります。
教室の空気も少しずつ変わります。
できる先生は、特別なことをしているわけではありません。
ただ、子どもの姿をよく見ています。
今日の教室で、まず一人。
その子を変えようとする前に、
その子を分かろうとして見る。
そこから、学級経営は始まっていきます。
今日はこれでおしまい。
<参考にした本↓>おすすめです!

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