イベント報告

【開催報告】教員の経験を武器にする、新しいキャリアのつくり方 〜現役多動教員・ハジさんが語る「教員×パラレルキャリア」の極意〜

イベント報告

1. イベント開催概要

2026年10月5日、教員コミュニティ『ジーニー』は、現役教員として働きながら多彩な活動を展開する「多動教員」こと、羽白卓馬さん(ハジさん)をお迎えし、オンラインセミナーを開催しました。

「学校の外の世界も見てみたい」
「教員としての経験やスキルを、もっと広い社会で生かしたい」

そんな思いを抱く先生方に向けて、今回のセミナーでは、教員の経験を強みに変える方法や、公務員としてのルールを守りながら複業に挑戦するための考え方をお話しいただきました。

教員を辞めるか、続けるか。その二択だけではない、新しいキャリアの可能性を考える時間となりました。

開催概要

  • イベント名: 教員の経験を武器にする、新しいキャリアのつくり方
  • 開催日時: 2026年10月5日(月)21:00〜22:00
  • 開催形式: Zoomオンライン開催
  • 主催: 教員コミュニティ『ジーニー』
  • ゲスト: 羽白卓馬さん(ハジさん/現役教員・多動教員)

ジーニーは、「職員室で話せないことも話せる場所」をコンセプトに、働き方やキャリア、人間関係、学級経営などの悩みを安心して共有できる場を提供しています。

今回のセミナーも、教員としてのやりがいを大切にしながら、学校の外にも自分の可能性を広げていくためのヒントを届けたいという思いから企画しました。

2. ハジさんのキャリアに学ぶ「強みの掛け算」

ハジさんは大阪府出身の44歳。現在は佐賀県に在住し、20年以上の教員経験を持つ現役の小中学校教員です。

関西弁・広島弁・九州弁を操る「トライリンガル」を自称するほど、多彩な経験を積み重ねてきました。

ハジさんの特徴は、単に収入源を増やす「副業」ではなく、複数の活動を育てながら、それぞれを相互に生かす「複業(マルチジョブ)」を実践していることです。

ハジさんが取り組む5つの活動

① 現役小中学校教員

教員歴20年以上。現在は特別支援学級の担任として、子どもたちと向き合っています。

② ラグビーレフリー

19年のレフリー歴を持ち、高校ラグビーの全国大会「花園」での審判経験も4回。佐賀県ラグビー協会審判委員会の副委員長も務めています。

③ Voicyパーソナリティ

音声メディア「Voicy」で継続的に情報を発信。収益化についても、必要な兼業申請を行いながら取り組んでいます。

④ 教育イベントへの登壇・出前授業

中学校での出前授業や大学でのキャリア教育など、学校の外でも教育に携わっています。

⑤ キャンプ場運営・防災インストラクター

佐賀県三瀬村でキャンプ場「タネマフタ三瀬」を運営。ブッシュクラフト講座や、火起こし・ナイフワークなどの防災・減災教育にも取り組んでいます。

1つの専門性にこだわらず、強みを掛け合わせる

セミナーで紹介されたのが、複数の分野の経験を掛け合わせ、自分ならではの価値を生み出す考え方です。

例えば、次のような組み合わせが考えられます。

  • 教員としての実践経験
  • ラグビーレフリーとしての専門性
  • キャンプ場運営や防災教育の経験
  • 音声配信や情報発信のスキル

1つの分野で突出した存在になることは簡単ではありません。しかし、複数の分野で経験を積み重ねることで、ほかの人にはない個性や強みを生み出せます。

ハジさんのキャリアは、教員経験を土台にしながら、自分の好きなことや得意なことを掛け合わせることで、独自の価値をつくれることを示しています。

大切なのは、最初から完璧な専門家を目指すことではなく、興味のあることに挑戦し、経験を積み重ねていくことです。

3. 公務員・教員が複業に挑戦するための考え方

教員が学校の外で活動する際、大きな壁となるのが兼業に関するルールです。

ハジさんが強調したのは、ルールを正しく理解し、必要な手続きを踏むことの大切さでした。

兼業を考える際に確認したい4つのポイント

  • 勤務への影響がないこと: 授業や学級経営など、本来の職務に支障をきたさない。
  • 公務との利害関係がないこと: 職務の公平性や公務員としての信頼を損なわない。
  • 信用を損なわないこと: 公務員としての立場にふさわしい活動である。
  • 報酬や活動内容が適切であること: 関係法令や所属先の規定に照らして、認められる活動である。

実際の可否は、活動内容や報酬の有無、適用される法令、自治体や教育委員会の規定などによって異なります。

兼業申請の実例と、職場の理解を得るための工夫

ハジさん自身は、Voicyの収益化や、講師料・謝金が発生する講演活動などについて、必要な申請・許可を得ながら取り組んでいます。

一方、キャンプ場の運営では、配偶者が事業主となり、ハジさん自身は無償で協力する形を取っています。

ただし、無償であれば必ず申請が不要になるわけではありません。家族の事業への関与についても、実際の業務内容や報酬の有無、所属先の規定などを確認する必要があります。

また、兼業の実現に向けて重要なのが、管理職との信頼関係です。

申請に必要な手続きや判断の流れは所属先によって異なりますが、日頃から自分の活動や思いを丁寧に伝え、本業でも着実に成果を出すことが、周囲の理解につながります。

管理職の異動によって状況が変わることもあるからこそ、一度許可を得て終わりではなく、継続的な対話を大切にする必要があります。

※兼業に関する法令・制度は、任命権者や活動内容によって異なります。実際に取り組む際は、所属する教育委員会などに事前に確認しましょう。

地域とのつながりから生まれたキャンプ場

ハジさんの活動を象徴するのが、佐賀県三瀬村でのキャンプ場づくりです。

土地との縁もなかった地域に自ら足を運び、早朝の草刈りなどの地域活動に参加。住民との交流を重ねながら、少しずつ信頼関係を築いていきました。

その過程では、地域の人々とのつながりから土地の確保につながり、補助金の活用やイベントの開催などを通じて、キャンプ場の基盤を整えていったそうです。

この事例から学べるのは、新しい活動を始める際、必ずしも多額の資金や特別な人脈が必要なわけではないということです。

まずは地域に飛び込み、人と関わり、自分にできることから始める。そうした積み重ねが、新しい活動や居場所を生み出していきます。

4. 学校の外での経験を、教育に還元する

複業の魅力は、収入や肩書きが増えることだけではありません。

学校の外で得た経験や人とのつながりが、教員としての視野を広げ、授業や学級経営にも生かされていくことです。

職員室の外に出ることで広がる3つの力

① 相手に伝わる言葉で話す力

地域住民や経営者、行政関係者など、異なる立場の人と関わることで、相手に伝わる言葉を選ぶ力や、合意形成に必要なコミュニケーション力が磨かれます。

② 人とのつながりから学ぶ力

多様な価値観に触れることで、自分の中に新しい視点やアイデアが増えていきます。ハジさんの実践からは、教員自身がどれだけ多くの人と出会い、経験してきたかが、教育の引き出しにつながることが伝わってきます。

③ 学びと遊びを仕事につなげる力

ハジさんにとって、休日の活動は単なる仕事ではなく、夢中になれる遊びでもあります。その経験が、月曜日からの教育実践への活力にもなっています。

ハジさんの授業実践

学校の外で得た経験を、実際の教育活動にも積極的に取り入れています。

  • 校庭の銀杏を販売して資金をつくり、タイヤ遊具を自作・設置
  • そば畑を一から耕し、そば打ち体験を実施
  • 米づくりや脱穀、石包丁を使った収穫体験
  • 親子での焚き火や飯盒炊爨

こうした実践からは、教員自身が楽しみながら挑戦することが、子どもたちの学びの可能性を広げていく様子がうかがえます。

学校の外で得た経験が、教室の中だけでは生まれにくい学びにつながっているのです。

5. 挑戦を阻む「3D」と、行動を生み出す考え方

新しいことを始めようとするとき、つい口にしてしまう言葉があります。

「でも……」
「どうせ……」
「だって……」

ハジさんは、こうした「3D」の言葉こそ、自分の可能性にブレーキをかけてしまう要因だと語ります。

「コップの中のノミ」から学ぶこと

ノミをコップに入れて蓋をすると、何度も蓋にぶつかるうちに、やがて高く跳ぶことをやめてしまうという話があります。

しかし、そこに高く跳ぶノミを入れると、周囲の姿に刺激を受け、再び跳ぼうとするようになるといいます。

この話が示しているのは、環境が人の行動に与える影響です。

自分一人では限界を感じるときこそ、楽しみながら挑戦している人たちと出会うことが大切です。

周囲の人の行動や言葉に触れることで、「自分にもできるかもしれない」という気持ちが生まれ、最初の一歩を踏み出しやすくなります。

「PDCAのPはパクル!」

ハジさんが紹介した、もう一つの印象的な考え方がこちらです。

「PDCAのPは『パクル(真似る)』!」

何かを始めるとき、最初からすべてを自分で考え、完璧な形をつくる必要はありません。

すでに成果を出している人のやり方を参考にして、まずは行動してみる。そして、実践を重ねてから振り返り、改善していく。

この軽やかな姿勢が、新しい挑戦へのハードルを下げてくれます。

仕事と遊び、学びと実践を切り離さず、人生全体を楽しんでいく。

ハジさんは、こうした生き方を「ハッピージョブ」と表現しています。

6. なぜハジさんは、現役教員を続けるのか?

多彩な活動を展開し、学校の外でも活躍するハジさん。しかし、教員を辞めるつもりはないといいます。

その考え方を大きく変えたのが、奥様からの一言でした。

「あなた、現役教員であることに価値があるのよ」

以前は、50歳で教員を辞めようと考えていた時期もあったそうです。しかし、この言葉をきっかけに、現役教員であり続けること自体が、自分ならではの価値になると気づきました。

教員を辞めてから学校の外で活動することと、現役教員として学校現場に立ちながら社会のさまざまな分野に挑戦すること。

両者は似ているようで、社会に届けられるメッセージが異なります。

教員としての経験を持ち続けるからこそ、学校の外で得た学びを現場に還元できます。そして、その姿そのものが、ほかの教員に新しい選択肢を示すことにもつながります。

ハジさんが大切にしている2つの軸

  • 人生の使命: 出会った人々にワクワクとおもろと選択肢を与える
  • 教員としてのテーマ: 子どもたちに学びと学校を嫌いにさせない

ハジさんが大切にしているのは、子どもたちに知識を伝えるだけでなく、学ぶことそのものの面白さを感じてもらうこと。

教員自身がさまざまな経験を重ね、楽しみながら生きる姿を見せることも、子どもたちにとって大切な学びになるのかもしれません。

公務員の安定は、挑戦を支える土台になる

公務員という立場は、制約が多く、自由に動きにくいと捉えられがちです。

しかし、ハジさんはその安定性を、挑戦を支える土台として捉えています。

毎月の給与や社会的信用があるからこそ、新しい活動がすぐに収益につながらなくても、生活の基盤を維持しながら挑戦できます。

例えば、キャンプ場の利用者が少ない時期があっても、それだけで生活が成り立たなくなるわけではありません。

もちろん、兼業に関するルールや時間の使い方には配慮が必要です。それでも、安定した本業を持ちながら、自分の好きなことに挑戦できるのは大きな強みです。

制約だけに目を向けるのではなく、自分がすでに持っている強みや環境をどう生かすか。

そんな視点の転換も、今回のセミナーから得られた大切な学びでした。

7. まとめ:教員の経験を生かし、自分らしいキャリアをつくる

今回のセミナーを通して見えてきたのは、特別な才能がある人だけが、学校の外で活躍できるわけではないということです。

教員として積み重ねてきた経験に、自分の好きなことや得意なことを掛け合わせ、人とのつながりを広げていく。

その積み重ねが、自分ならではのキャリアをつくっていきます。

今回のセミナーから得られた3つの学び

① 自分の強みを掛け合わせる

教員経験を土台に、好きなことや得意なことを組み合わせることで、自分ならではの価値を生み出せる。

② 環境を変え、まずは行動してみる

「でも・どうせ・だって」という言葉にとらわれず、挑戦している人たちと出会う。そして、成果を出している人のやり方を参考に、まずは一歩を踏み出す。

③ 学校の外での経験を、本業に還元する

新しい人との出会いや経験が、授業や学級経営の引き出しを増やし、子どもたちの学びを豊かにする。

教員のキャリアは、学校の中だけで完結するものではありません。

教員を続けながら新しいことに挑戦する道もあれば、これまでの経験を生かして別の分野に活動を広げる道もあります。大切なのは、自分に合った選択肢を知り、自分自身で選べるようになることです。

教員コミュニティ『ジーニー』からのお知らせ

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そんな先生方は、ぜひジーニーの「Zoom教員会」に参加してみてください!

ジーニーには、コーチング、マリンスポーツ、SNS発信、体操教室など、さまざまな分野で副業申請を行い、新しい活動に挑戦している先生方がいます。

実際に活動している先生と交流することで、どのように副業申請を進めたのか、どんな工夫をしたのか、職場の理解をどう得たのかなど、リアルな経験を聞くことができます。

一人で調べて悩むだけでなく、すでに挑戦している仲間から話を聞くことは、新しい一歩を踏み出すきっかけになるはずです。

もちろん、副業のことだけでなく、働き方やキャリア、学級経営などについても気軽に話せます。

● Zoom教員会

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参加方法や詳細は、ジーニー公式LINEのリッチメニューからご確認いただけます。

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教員としての仕事を大切にしながら、自分の好きなことや得意なことにも挑戦する。そんな生き方を実践している仲間が、ジーニーにはいます。

一人で悩まず、仲間と出会い、学び合いながら、自分らしいキャリアをつくっていきましょう!

教員としての新しい可能性と、ワクワクする未来を、ジーニーはこれからも応援していきます!

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